働く男子。
誰かが立ち止まって見えたのは、きっと彼と同じ速度で歩いていた。
上でも下でもなく、横に広がる等間隔。
少し距離を詰めてみようかなって、小石を拾って投げてみた。
泣いたり笑ったり、懸命に笑顔の練習をしているように見えた彼女。
形相は一転鬼と化し、投げた小石を回し蹴り。
跳ね返ってきた、スピードを増したソレを、彼はすんでのところでひらりかわした。
(蹴り返した足の部分、後日腫れないといいな)
投げた張本人が心配してる。
何かがおかしい何かが。考えているさ、とぼけてはみてるけど。
・・・なんだろうこれ。わかる人にはわかるかな?
そして三行目がおかしい。なんで小石だ選択肢。
たぶん、彼は力が(まだ)無いから、
飛ばしやすいものを、それでも比較的小さいものを投げてみたのかもね。
「その辺り、たしかに安全地帯やけど底なし沼orえらく遠回りだった気もするyo」
気のせいなのかな。関係無くて余計なお世話。まあそうなんだけどね。
眺めることしか出来ない。
どこか鏡に映したようなその子の歩く姿を。それがもどかしい。
でも、そうだね。別の人だもんね。
そんなに弱くも無さそうだから、たぶん大丈夫なんだろうな。
投げた小石のゆくえは追えないけど、投げてみた責任くらいは取ってみるよ。
せめてその気持ちだけでも、届くといいな。
うん。
今日も私は働く男。まずは自分の生活を、立て直すべく頑張るよ。
3割くらいで生き抜きたいよね。それで十分一流打者。だと思えるようになりたいな。
やればできるけど、できなくてもいい。
いいこともあればやなこともある。その逆もしかり。
うん、ではではまたね。